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≪毎日新聞 2015年6月25日付≫
警察庁は25日、認知症が原因で行方不明になったとして2014年に全国の警察に届け出があった人は前年比461人(4.5%)増の1万783人(男性6130人、女性4653人)だったと発表した。このうち1万615人は同年中に所在が確認されたが、168人は確認されず未解決だった。
都道府県警別で最も多かったのは大阪の1921人で、兵庫の1207人が続く。警視庁は253人だった。
また13年までに届け出があった人も含めた行方不明者で、14年中に所在が確認されたのは1万848人。警察が見つけたケースが6427人で最も多く、帰宅などで確認されたのは3610人、死亡と判明したのは429人だった。所在確認までに2年以上かかった人は73人だった。
警察庁の担当者は「服やお守りなどに連絡先が書いてあれば確認につながりやすい」と話している。
警察庁は昨年6月、身元確認や自治体との連携の強化を都道府県警に求める通達を出した。認知症に特化した初の総合的な通達で、行方不明者を保護している市町村が要望すれば、行方不明者の顔写真や特徴を含めた情報を全国の警察本部などに備え付けた閲覧用台帳に掲示する制度も盛り込んだ。
しかし、自治体側が個人情報を公開することにためらうケースが多いとみられ、今年5月末までに台帳に記載されたのは39人にとどまった。また、台帳に載せる場合でも自治体が「閲覧は県内だけにしてほしい」と要請するケースもあり、全国で閲覧できるのは16人だけだった。台帳制度を使って家族らが所在を見つけた例はまだない。
警察庁はまた、14年の認知症以外の原因も含めた行方不明の届け出は8万1193人(前年比3.3%減少)だったことも発表した。