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2023.1.20
毎日新聞 より
発達障害のある中学生ら3人を「療育」と称して相次いで監禁したとして逮捕監禁罪に問われた、障害者支援のNPO法人(福岡)の理事長、A被告(58)=福岡県=に対し、福岡地裁は20日、懲役3年(求刑・懲役4年)の実刑判決を言い渡した。伊藤寛樹裁判官は「指導や療育などの正当な事由を見いだす余地はなく、手っ取り早く制裁や威嚇を加えて服従させる目的で悪質な逮捕監禁を繰り返した非人道的、常習的犯行だ」と指弾した。
判決は、被告が不意を突くように被害者宅へ乗り込み、さまざまに威圧して手足を拘束し、車に乗せて連行したり玄関の土間に寝かせたりして自由を奪ったと認定。一晩続いた事案も複数あり「(被害者に)恐怖や屈辱を負わせる程度が強く、人格を無視している」と批判した。
また、「被告の規範無視の態度は著しく、反社会性が際立って相応の非難を免れない」と指摘。被告が事業などで一定の成果を上げていた事情を踏まえても「量刑評価が大きく左右されるとはいえない」などと実刑とした理由を説明した。
判決などによると、子どもの問題行動に悩む保護者から相談を受けていた坂上被告は2017~21年、当時13~15歳で中学生だった男性3人の自宅を訪れ、手足を結束バンドなどで拘束。粘着テープで目隠しして暴行し、車で福岡県内の山道や運営する障害者施設「くるめさるく」(同県久留米市、22年9月閉所)に連行するなどして監禁した。
うち2人の事案で共謀したとして同罪に問われた、元小学校教諭の男性(37)=同県、懲戒免職=は懲役2年、執行猶予5年の有罪判決が確定した。
2022.10.6
毎日新聞 より
発達障害のある中学生らが「療育」名目で監禁されたとされる事件で、福岡県警は6日、別の男子中学生を監禁したとして、障害者支援を掲げる福岡県のNPO法人理事長、A被告(57)=福岡県、逮捕監禁罪で起訴=ら2人を逮捕監禁容疑で再逮捕した。A容疑者の逮捕は3回目。
他に再逮捕されたのは小学校教諭、B被告(37)=同県、同罪で起訴=で、A容疑者の活動を手伝っていたとみられる。
再逮捕容疑は、両容疑者は共謀し2020年11月14日午前8時過ぎ、同県久留米市の自宅にいた当時中学生で15歳だった男性の手足を結束バンドで縛ったり、頭に袋のようなものをかぶせて数回殴ったりした後、車で連行。県内の山中や、NPO法人が運営する同市の障害者施設まで連れ出し、同日午後1時過ぎまで監禁したとしている。県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。
両容疑者は長崎県内の中学生を監禁したなどとして22年7月に逮捕され、A容疑者は別の中学生の逮捕監禁容疑でも再逮捕されていた。9月26日にあった福岡地裁の初公判で2人とも起訴内容を認め、福岡県警は同様の余罪が10件程度あるとみて捜査を続けていた。
A容疑者は08年6月にさるくを設立。福岡、久留米両市によると、くるめさるくや障害児らを対象にした居宅介護サービスは事件後、A容疑者から両市に届け出があり、22年9月30日付でいずれも廃止されている。
2022.8.10
TNCテレビ西日本 より
福岡県久留米市の障害者支援施設に連行しようと男子中学生の手足を縛るなどして不法に監禁した罪で、NPOの理事長ら2人が、8月10日に起訴されました。
逮捕監禁の罪で起訴されたのは、福岡県に障害者支援施設を置くNPO法人の理事長・A被告(57)と、小学校教師B被告(37)です。
起訴状によりますと、A被告らは去年10月、長崎県内に住んでいた当時14歳の男子中学生の両手足を縛り、頭を殴るなどした上で、坂上被告が運営する久留米市の施設に連行しようと車に乗せ、途中、筑紫野市内の山道で下ろし「ここに手と足縛って転がして埋めるぞ」と脅迫するなど、不法に監禁したとされています。
A被告は逮捕前の任意の調べに対し「療育のためだった」と話していました。
一方、関係者に対しては「自分たちのやり方が警察に見つかったら、逮捕されると思っていた」と話していることが捜査関係者などへの取材で新たに分かりました。
警察は他にも同様の事案を10件程度把握していて、引き続き余罪があるとみて調べています。
2022.7.28
日本経済新聞 より
障害者支援施設に少年を強制的に連行したとして、NPO法人(福岡県)の理事長、A容疑者(57)ら2人が逮捕されてから27日で1週間。福岡県警は「療育」と称し、障害児の手足を縛るなどの虐待が日常的にあったとの見方を強める。一方、重い障害がある子どもに対応する施設は限られているのが実情で、坂上容疑者を頼る保護者もいる。専門家は「受け入れ施設拡充が必要だ」と訴える。
逮捕容疑は昨年10月9日深夜0時すぎ、小学校教諭のB容疑者(37)とともに長崎県時津町の住宅で、14歳だった少年を脅して手足を結束バンドで拘束。福岡県久留米市の施設に連行するなどした疑い。3日間の「合宿」が目的で、少年の暴言などに悩んでいた母親が依頼。報酬として約100万円を支払った。
「自分の手法じゃないと子どもが改善せず、親子を救えないと思っていた」。関係者によると、逮捕後、A容疑者はこう話している。
施設のホームページ(HP)では「自傷、他害行為などの『強度行動障害』を3日で改善」とうたい、セミナーでも療育の「実績」を強調。重度の知的障害や自閉症のある子どもを施設で受け入れていた。
県警は複数の専門家の意見を聴き、療育の範囲を超えていると判断、逮捕に踏み切った。
厚生労働省によると、自傷や他害行為を繰り返す強度行動障害のある人は全国に約8千人いると推計される。専門家の間では、対応には高い専門性が必要という。
A容疑者を知る福祉施設職員は「(強引なやり方は)法に触れるものだと思っていた。ただ一部の保護者はすがるように頼っていた」と明かす。息子を久留米の施設に通わせている男性も「学校よりも(A容疑者を)信頼している。子どもは改善した。他の保護者も同じ気持ちだろう」。
一方、A容疑者は逮捕前、HPで自身の行為を「刑事罰に相当する犯罪」とし「深く反省している」とつづった。
日本社会事業大専門職大学院の曽根直樹准教授(障害者福祉)は「事件を機に、重度の障害児に対応できる事業所を増やすなど受け入れの裾野を広げるための議論が必要だ」と話した。
2022.7.22
日本経済新聞 より
14歳だった少年が福岡県久留米市にある障害者支援施設に強制的に連行された事件で、県警が家宅捜索先から虐待とみられる行為が映った動画十数本を押収していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。
逮捕監禁などの疑いで逮捕されたNPO法人(福岡県)理事長のA容疑者(57)は障害児への「療育」と称し、NPOが開いたセミナーの参加者に動画を見せるなどしていた。県警は関係者から事情を聴くなどして、施設運営の実態解明を進めている。
捜査関係者によると、動画は、別の通所者への暴行容疑で昨年11月に逮捕した40代の女性職員=処分保留=の関係先から押収。子どもを羽交い締めにして押さえつけたり、暴言を吐いたりする場面が収められていた。
A容疑者とともに逮捕されたのは、小学校教諭のB容疑者(37)。福岡県志免町によると、町立小学校で特別支援学級の担任経験があり、今年1月以降は病気を理由に欠勤している。
登記簿や久留米市によると、NPOは2008年6月に設立。施設は19年9月に市から「放課後等デイサービス」事業の指定を受けた。今年7月20日時点で、18歳までの約30人が利用している。
2022.7.20
共同通信 より
14歳だった少年を暴行して拘束し、障害者支援施設に強制的に連行したとして、福岡県警は20日、逮捕監禁と強要の疑いで、施設を運営する福岡県のNPO法人理事長A容疑者(57)=同県、小学校教員B容疑者(37)=同県=の2人を逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は昨年10月9日、中学3年だった少年の長崎県の自宅で、手足を結束バンドでしばって拘束。「暴れたら殴るぞ」と脅して袋のようなものをかぶせ、頭部を殴り、福岡県久留米市の施設に連行し、11日まで監禁。その間自らの非行を認める書面の作成を強要した疑い。