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2025.12.10
日テレNEWS より
介護施設で入所者2人を殺害した罪に問われている元職員の女の初公判が開かれました。女は全面的に否認し、無罪を主張しました。
予定されている裁判の回数は、60回。審理期間は210日間にも及び、これは裁判員裁判として、過去2番目の長さです。
それだけ長い時間をかけて審理する必要がある裁判、ということ。法廷に立ったのは、介護老人保健施設の元職員、A被告(39)。
施設に入所していた2人の男性を、殺害した罪などに問われています。
■殺害を全面的に否認 犯行裏付ける証拠は
2020年。茨城県の介護老人保健施設に入所していたSさん(当時84)とYさん(当時76)が、相次いで亡くなりました。
当時、介護職員として働いていたA被告。
起訴状などによるとA被告は、点滴のチューブに注射器のシリンジを使って空気を注入し、Sさんらを殺害したとされています。
ただ、A被告の犯行を裏付ける直接的な証拠は、これまで見つかっていません。検察側は、関係者の証言や状況証拠を積み上げてきました。
裁判の冒頭。
裁判官「Sさんを殺害した罪について、言いたいことはありますか?」
A被告「私は空気を注入していません。殺害していません」
裁判官「Yさんについてはどうですか?」
A被告「私は空気を注入していません。殺害していません」
被告は、2人の殺害を全面的に否認。
裁判官「弁護人の意見は?」
弁護側「Aさんは静脈に空気を注入する行為はしておらず、殺害はしていません」
弁護側は、無罪を主張しました。
■殺人事件?病死?当時は“コロナ禍”で…
裁判の争点は、主に2つ。
「そもそも殺人事件なのか?」
「殺人事件だった場合、A被告による犯行なのか?」
SさんとYさん、それぞれの事案を、検察側は立証していきます。
10日は、Sさんについての審理。検察側は、まず事件かどうかについて、Sさんの健康状態は良好で、容体が急変するような問題はなかったと主張。外部から空気を注入されたこと以外の原因で死亡するとは現実的に認められないとして、殺人事件だと主張しました。
それがA被告による犯行なのかどうかということについては…。
当時、コロナ禍だったため、外部から誰かが侵入して、Sさんの部屋に入ることは困難。さらに犯行時間帯、A被告が2回にわたってSさんの居室に出入りしているところを目撃したという証言があることなどから、検察側は「A被告以外の第三者による犯行だとすれば、合理的説明が極めて困難」だとして、A被告による犯行だと主張しました。
一方、弁護側は…。
弁護側「Sさんは司法解剖されておらず、直接の死因は心不全となっている。それ以外の理由で死亡したというならば、検察側に説明する責任がある」
Sさんは司法解剖されていないため、心臓の病気をはじめとする他の原因で亡くなった疑いが残るなどとして、「殺人事件ではない」と主張しています。
裁判には今後、140人以上の証人の出廷が予定されていて、判決は来年7月に言い渡される予定です。
2025.12.10
時事ドットコム より
茨城県の介護老人保健施設で2020年、入所者2人が体内に空気を注入され殺害された事件で、殺人罪などに問われた元職員A被告(39)の裁判員裁判の初公判が10日、水戸地裁(山崎威裁判長)であった。A被告は「殺害しておりません」と述べ、無罪を主張した。
初公判を含め計60回の期日が指定されており、判決は来年7月7日。
公判では20年5月に死亡した入所者のSさん=当時(84)=についての審理が優先され、検察側は冒頭陳述で、Sさんが死亡する直前には元気だったと主張。犯行可能時間帯にSさんの部屋を出入りしたのは被告のみだとした。
空気注入にはシリンジ(注射器の筒)が使われたとみられるが、検察側は、本来所持する必要がない被告のバッグに2本入っていたとも指摘。「被告以外に、現実的に犯行可能な人物はいない」と訴えた。
弁護側は、Sさんには持病があり、解剖も行われていないことで正確な死因特定は困難と反論。「想像を巡らして殺人事件にすることは許されない」と無罪を主張した。
起訴状などによると、被告は同施設で働いていた20年5月、Sさんの点滴チューブに空気を注入し、空気塞栓症による急性循環不全で死亡させ、同年7月にはYさん=同(76)=を同様の手口で殺害したとされる。
いずれもシリンジとチューブをつないで静脈内に空気を注入したとみられている。
被告は万引きしたとして窃盗罪にも問われ、同罪については認めた。
2021.12.24
文春オンライン より
“黒い看護師”に続き、今度は“黒い介護士”――。
茨城県警は12月8日、介護老人保健施設で入所者(当時76)を殺害したとして、元施設職員・A容疑者(35)を逮捕した。
「Aは昨年7月、入所者の点滴に注射器のシリンジ部分を使って多量の空気を注入し殺害したとされています。事件当日、注射器を触るなど不審な動きをしていた姿が目撃されており、その日のうちに自主退職していた。県警は慎重に捜査を進め、今回の逮捕劇となりました」(社会部記者)
茨城県の農家に生まれたA。中学校を卒業後、自宅から車で1時間ほどの県立高校に進学した。
「県内では唯一、5年課程で正看護師資格の取れる学校です。学費も安価で各地から看護師志望の子が集まっていた」(同級生の親)
3年間同じクラスだった友人が証言する。
「ハキハキと自分の意見をストレートに伝える性格で、クラスの人気者だった。成績も優秀なほうでした」
看護師資格を得て高校を卒業したAは、埼玉県内の病院に就職した。20代中頃には、SNSにプライベートの様子を盛んに投稿。特に嵐が大好きだったようで、彼らのライブやパーソナリティを務めていた24時間テレビの募金に出かけたことを報告していた。
〈24時間テレビなう!! 募金~嵐(o^∀^o)〉〈国立競技場♪♪ウハウハです〉
SNSにはアイドルだけでなく、ガンダムカフェを訪れた様子なども興奮した様子で投稿。ガンダム好きが高じたのか、〈女子向けの軍人カフェとか、無いのかな?〉とミリタリー分野にハマった様子も窺える。
「その後も関東近郊の病院などで働き、昨年4月から介護老人保健施設で介護士として勤務を始めたのです」(前出・社会部記者)
犯行の僅か2カ月後に婚約。義父は「今は頭が真っ白」
昨年7月に入所者の殺害に及んだA。だが、その僅か2カ月後の9月、県内在住の会社員男性と婚約を決めた。FNNの取材に義父がこう答えている。
「(昨年)8月に息子が交際相手として連れてきて同居し、いい夫婦(11月22日)の日に結婚しました。今は頭が真っ白です」
結婚当初は義父母と同居していたものの、次第に関係が悪化。今年7月、夫とともに県内の2階建ての借家に引っ越した。
「引っ越して10日くらい挨拶にも来なかったから、地域の区長と一緒にAさんを訪ねたんです。その時は普通に対応してくれたのですが……」(近隣住民)
その約半年後、事件は明るみに出たのだった。Aの実父に声をかけたが、
「警察の指示に従っているので、話すことはありません」
Aは容疑を否認しているが、“黒い介護士”の周囲でも複数の不審死が確認されているという。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年12月23日号